
FM 音源部は YM2608 の FM 部(4 オペレータ × 8 アルゴリズム)の挙動を再現し、そこに per-voice フィルタ・SoftLFO・VelMap・KeyMap の独自拡張を加えたものです。
4 オペレータと 8 アルゴリズム
1 ボイスは 4 つのオペレータ(OP1〜OP4)で構成されます。それぞれが独立した正弦波生成器 + エンベロープを持ち、アルゴリズム 番号(0-7)で「どのオペレータがどのオペレータを変調するか / 出力に直行するか」が決まります。
代表的なアルゴリズムの例:
- ALG 0 (Series):
OP1 → OP2 → OP3 → OP4 →直列。OP4 だけが出力 - ALG 4 (2 pair): 2 ペアの並列モジュレーション
- ALG 7 (All parallel): 全 OP が出力に直結 — 加算合成と同じ振る舞い
出力に直結している OP が「キャリア」、変調用の OP が「モジュレータ」と呼ばれます。OP1 は自己フィードバックを持ち(FB パラメータで強さを調整)。
オペレータ・パラメータ
| パラメータ | 範囲 | 役割 |
|---|---|---|
TL Total Level |
0-127 | OP の出力減衰。キャリアでは音量、モジュレータでは変調深度。0=loudest, 127=silence |
AR Attack Rate |
0-31 | EG の立ち上がり速度。31=瞬時、0=非常に遅い |
DR Decay Rate |
0-31 | SL に到達するまでの減衰速度 |
SR Sustain Rate |
0-31 | SL 到達後のさらなる減衰(0=保持、それ以外=ゆっくり減衰) |
RR Release Rate |
0-15 | キーオフ後のリリース速度 |
SL Sustain Level |
0-15 | DR から SR に切り替わるレベル(0=高い、15=低い) |
MUL Multiplier |
0-15 | 基準周波数に対する倍率。0=×0.5, 1=×1, 2=×2 … 15=×15 |
DT Detune |
0-7 | 0/4=なし、1-3=+小/中/大、5-7=-小/中/大 |
KS Key Scale |
0-3 | 高音ほど EG が速くなる量。0=無効、3=最大 |
AM AM Enable |
off/on | LFO の振幅変調を適用するか |
Feedback / PMS / FMS / AMS
| パラメータ | 範囲 | 説明 |
|---|---|---|
| Feedback (FB) | 0-7 | OP1 自身の出力を OP1 入力に戻す量。倍音増しに使う |
| PMS / FMS | 0-7 | LFO によるピッチ変調の深度 |
| AMS | 0-3 | LFO による振幅変調の深度(要 OP 側 AM=on) |
音作りのコツ
音量を変えたいときは キャリアの TL を、音色を変えたいときは モジュレータの TL を動かすのが基本です。どの OP がキャリアかはアルゴリズムで決まります(ALG 7 は全部キャリア = 加算合成)。
LFO で音色変化を出したい場合は、後述の SoftLFO の Op TL ターゲット を使うと、モジュレータ OP の TL を周期的に動かして「ワウっぽい音色変化」を作れます。