
ADPCM は YM2608 ADPCM-B 相当の 4-bit ADPCM サンプラーです。
WAV をロードすると 4-bit ADPCM-B にエンコードして内部保存し、再生時にピッチを可変させて鳴らします。1 つの ADPCM チャネルには可変数のスロットを持たせられるので、ドラムキット(音域ごとに別サンプル)や マルチサンプル ピッチ音源(音域ごとに異なるルートでピッチ追従)を 1 チャネルで構築できます。
チャネルレベルの設定
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| LO-FI バー | チャネル全体に効く再生サンプルレート。8 段階:Off / 32k / 22k / **18.5k** / 16k / 11k / 8k / 4k。選択中はネオンシアンに発光。18.5 kHz は YM2608 ADPCM-A のリズム ROM 相当の質感が出ます。内部はサンプル&ホールド方式で、ピッチは保持したまま高域だけ段階的に削がれます |
| Memory | このチャネルに読み込まれた ADPCM データ総量を表示。PC-98 実機の ADPCM RAM は 256 KB だった、という参考値です(MewFM 自体に容量制限はありません) |
| キーマップ | 横スクロール式のピアノキーボードビュー(1 note 20 px、高さ 165 px)。下半分がピアノ帯、上半分がスロットバー領域。各スロットはバー幅 = キー範囲、左端に縦書きでスロット名、選択中はネオンシアンの halo で囲まれます |
| チャネル共通パラメータ | preset bar の真下に MONO/POLY、Voices、Bend、Pan、Volume、Reverb、Chorus、VelCurve が並びます(FM / SSG と完全同一)。ADPCM チャネルでも CC 7 (Volume) / CC 10 (Pan) / Pitch Wheel / MIDI Program Change + Bank Select が反応します |
スロットの追加・削除・編集
| 操作 | 動作 |
|---|---|
| キーマップにドラッグ&ドロップ | WAV / AIFF / FLAC をキーマップへドロップ。そのキーにスロットが無ければ単音 (drum-mode) スロットを新規作成、既存スロットがあれば波形だけ差し替え(Key Range / Loop / AHDSR は維持)。ドロップ位置に cyan の縦カラムが出て、着地キーが視覚的に確認できる |
| キーマップ右クリック | カーソル位置を起点に Add / Remove のコンテキストメニュー。既存スロットがあれば “Remove ○○” 行が出る |
| バーをドラッグ | 中央ドラッグで音域維持で平行移動、両端ドラッグで Lo / Hi の片側だけリサイズ。重なってる場合は選択中スロット優先 |
| ピアノ帯クリック / ドラッグ | そのキーを試聴。そのキーをカバーするスロットがあれば、詳細パネルが自動的にそのスロットに切り替わる |
スロット詳細パネル
キーマップでスロットを選ぶと、下の詳細パネルが切り替わります。ヘッダーにはスロット名(ネオンシアン大型表示)と、8 色パレットのスウォッチ(キーマップでの色を任意指定)、Load WAV... / Remove Slot ボタンが並びます。
KEY MAP
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Lo / Hi | このスロットが鳴る MIDI ノート範囲 (inclusive)。ドラムなら Lo = Hi(単音)、メロディサンプルなら音域指定 |
| Transpose | 再生ピッチに加算するセミトーン数 (-48〜+48)。Pitched OFF の drum モードでも反映されるので、キックを 1 オクターブ下げるなど単発音のチューニングに使える |
| Pitched (follow key) | 電源ボタン。ON で MIDI ノートに追従してピッチが変化する pitched モード、OFF で固定ピッチの drum モード。ON / OFF でその下の Root の有効・無効が連動 |
| Root(Pitched 時のみ) | サンプルが native レートで鳴る MIDI 基準キー(default C4=60)。キーマップ上にはネイティブ再生位置を示す “N” マーカー が表示される(Root から Transpose 分シフトした位置) |
PLAYBACK
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Gain | スロットごとの出力倍率 (0.0〜2.0) |
| Playback Start | NoteOn でサンプルのどの位置から再生するか。波形プレビュー上の ▼ ハンドルでも調整可 |
| Loop | 電源ボタンで ON/OFF。Loop end に達したら Loop start にラップ。Loop end = 0 はバッファ末尾扱い(ロードしただけで全長ループ) |
| Loop Start / End | ループ範囲の開始・終了サンプル位置。波形プレビュー上のホットピンク枠でも編集可(中央ドラッグで移動、両端ドラッグでサイズ変更) |
ENVELOPE
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| A / H / D / S / R | アンプエンベロープ(Attack / Hold / Decay / Sustain / Release)。0〜5000 ms(Sustain のみ 0〜100 %)。波形プレビューの右側にスリムなスライダー列で配置。デフォルト(A=0, H=0, D=0, S=100%, R=30 ms)はサンプル素通し + 短いノートオフフェード |
| エンベロープ overlay | 波形プレビューにホットピンクで A → H → D → Sustain の包絡形状が重ねて描かれる。Playback Start を起点に、Transpose で再生レートが変わるとカーブの時間軸も伸縮 |
プリセット
ADPCM チャネルも FM / SSG と同じく 16 banks × 128 slots のプリセットシステムを持ちます。Save / Load / Delete はチャネル上部のプリセットバーから。MIDI Program Change と Bank Select (CC 0/32) + Cubase 用 CC 102 fallback に対応するので、自作ドラムキットを Program Change で切り替えながら鳴らせます。
プリセットファイルは波形データ込みの XML として、以下に保存されます。
~/Documents/MewFM Presets/ADPCM/Slots/Bank<N>/<NNN>.xml
bank / slot はファイルシステムが真です — Explorer で BankN フォルダごと整理したり、000.xml を別 Bank に移動しても、起動時の preset 一覧でそのまま反映されます。
v1.1 から同梱の MewFM Kit(Bank 0 / Slot 0)は ADPCM-A 風 18.5 kHz ドラムキットのサンプルプリセットです。
ADPCM-B と ADPCM-A
YM2608 には可変ステップでピッチを変えられる ADPCM-B と、固定 18.5 kHz で再生する ADPCM-A(リズム ROM 用)の 2 系統がありました。
MewFM はベースが ADPCM-B 寄りで、ADPCM-A 風のザラついた質感は LoFi モードに 18.5 kHz を選ぶことで再現できます。
純正リズム ROM そのものは著作権上配布できないので、ドラムキットは自前のサンプルから組む運用です。