このチュートリアルでは、MewMMLPad の基本的な使い方を 7 ステップで学びます。スタンドアローン版を前提に書いていますが、VST3 版でも MML の書き方は同じです。
Step 1: 最初の音を出してみよう
テキストエリアに以下を入力して、▶ ボタンを押してみてください。
A T120 O4 L8 V100 CDEFGAB>C
| 記号 | 意味 |
|---|---|
A |
チャンネル A(MIDI ch 1) |
T120 |
テンポ 120 BPM(スタンドアローン再生時に BPM スライダを変更) |
O4 |
オクターブ 4(真ん中の C = C4) |
L8 |
音符のデフォルト長さを 8 分音符に設定 |
V100 |
ベロシティ(強さ)100 |
CDEFGAB>C |
ドレミファソラシ、次のオクターブのド(> でオクターブアップ) |
演奏が始まるとエディタ上に色付きのハイライトが流れ、現在演奏している位置が一目でわかります。
Step 2: 音の長さを変えてみよう
A O4 C4 D4 E2 F1
| 記号 | 意味 |
|---|---|
C4 |
ド(4 分音符) |
D4 |
レ(4 分音符) |
E2 |
ミ(2 分音符) |
F1 |
ファ(全音符) |
数字が小さいほど音が長くなります(1 = 全音符、2 = 2 分、4 = 4 分、8 = 8 分…)。L コマンドでデフォルト長さを設定しておくと、個別指定を省略できます。
Step 3: 2 チャンネルで演奏してみよう
行の先頭のアルファベット(A〜P)がチャンネルを指定します。複数行に分けて書くと同時演奏できます。
A T120 O4 L8 V100 CEGCEGCE
B O3 L4 V70 C4 G4 C4 G4
T はテンポ指定で、曲全体に効く設定なので A チャンネルにだけ書く のが慣例です。各チャンネルに重ねて書く必要はありません。
A チャンネルが高音のアルペジオ、B チャンネルが低音のコードになります。
Step 4: 休符・リピートを使ってみよう
A O4 L8 CDER CDER [CDEFGAB>C<]2
| 記号 | 意味 |
|---|---|
R |
休符(長さを省略すると L で設定したデフォルト長さ=ここでは 8 分休符) |
[...]2 |
カッコ内を 2 回繰り返す |
音符と同じく、休符も長さを省略すれば L の値が使われます。明示したいときは R4(4 分休符)、R16(16 分休符)のように書けます。
Step 5: 和音を鳴らしてみよう
複数のチャンネルを使うのが基本ですが、タプレット記法で 1 チャンネルに複数音を詰め込むこともできます。
; C メジャーコードをメロディに乗せる例
A T120 O4 L4 V100 CDEF
B O3 L4 V70 C C C C
C O3 L4 V70 E E E E
D O3 L4 V70 G G G G
; から行末まではコメントとして扱われます。
Step 6: 内蔵シンセの音色を変えてみよう
ヘッダ右側の On ボタンで内蔵シンセを ON にしてください。Settings ボタンを押すとシンセ設定パネルが開き、チャンネルごとに波形(Sine / Saw / Tri / Square)と ADSR を設定できます。
内蔵シンセのみで完結させることも、DAW の外部音源と併用することもできます。詳しくは画面の説明を参照してください。
Step 7: Cubase で VST3 として使う
MewMMLPad は MIDI を出力する VSTi です。Cubase では以下の手順でルーティングします。
基本のルーティング手順
- 鳴らしたい音源(例: HALion、Kontakt など)をインストゥルメントトラックまたは MIDI トラックに挿入します
- その MIDI トラック(または音源トラックの MIDI 入力)の「入力ポート」を MewMMLPad に設定します
- そのトラックを「モニタ ON(スピーカーアイコン)」にします
- モニタ状態にすると、再生中・停止中を問わず常に MewMMLPad からの MIDI 信号がリアルタイムで音源へ届きます
- Cubase のトランスポートを再生すると、MML に従って MIDI が出力され音源が鳴ります
マルチチャンネル MIDI として扱うコツ
MewMMLPad のチャンネル A〜P は MIDI ch 1〜16 に対応します。1 つの音源トラックで A〜P を同時に受け取って、チャンネルごとに別音色を鳴らすには、両端を MIDI ch =「All(オムニ)」に設定するのがポイントです。
- MewMMLPad 側の出力 ch: 「All」を選択 → 全 MML チャンネルが ch 1〜16 のままホスト へ流れます(特定 ch にまとめて潰されません)
- 受け取る VSTi 側の入力 ch: 同じく「All」を選択 → 届いた全 ch を VSTi が認識します(マルチティンバー音源なら ch ごとに別パッチを発音)
これで MewMMLPad のチャンネル A → MIDI ch 1 → VSTi のパート 1、B → ch 2 → パート 2 … という対応で、1 トラックの中に最大 16 パートの演奏を流し込めます。
逆に「A〜P を全部まとめて 1 つの音色で鳴らしたい」場合は、受け側 VSTi の入力 ch を特定の 1 ch に固定すれば全 MML チャンネルがその音色に流れ込みます。
MIDI クリップとしてドラッグ配置する方法
ヘッダの MIDI ボタンから任意のトラックへドラッグするだけで、MML の内容を MIDI クリップとして直接配置できます。チャンネルごとに独立したトラックに分けた SMF 形式で書き出されます。
MML を編集した直後でも、ドラッグ開始時に最新の内容が反映されます。
録音で MIDI データを取り込む方法
再生中に MIDI トラックを録音状態にすると、MewMMLPad が出力した MIDI 信号を Cubase の MIDI トラックとして録音・書き出しできます。
- 上記のルーティングを済ませた状態で、MIDI トラックを録音待機(赤丸ボタン)にします
- Cubase のトランスポートで録音を開始します
- 録音を停止すると、MML の内容が MIDI クリップとしてトラックに書き出されます
VST3 版は Cubase(Windows)でのみ動作確認しています。他の DAW でのルーティング方法・動作は未検証です。
ここまでの操作で基本は押さえられたはずです。さらに踏み込んだ表現(ピッチベンド、グリッサンド、タプレット、調号など)は MML リファレンス で全コマンドをまとめて確認できます。