MewDelay は、エコーを繰り返すほど音が「育って」いくステレオ・ディレイです。フィードバックのたびに歪みやビットを荒らしたり、ピッチを下げたり、揺れやステレオ感を深めたりと、テールが時間とともに変化していきます。
信号の流れ
Input ─→ Dry ─+─→ [ Feedback Delay + ECHO EVOLUTION ] ─→ POST FX ─→ Output
│ ↑ │
│ └────────────────────┘
│ (フィードバックループ)
└────────────────────────────────────────→
(Dry はループを通らずに加算される)
ECHO EVOLUTION はフィードバックループの中で効くので、繰り返すほど効果が累積して深まります(1 回目のエコーですでに 1 パス分かかります)。POST FX は出力段で各エコーに一定量だけかかります。
ダッキングはディレイ音(Wet)にだけ作用し、フィードバックの中身は減衰させません(入力が止むとエコーが戻ってくる古典的な挙動)。
Time & Feedback — ディレイの土台
| パラメータ |
説明 |
Sync |
ホストのテンポに同期します。オンのとき右の Div で長さを指定。 |
Div |
同期時の音価(1/1〜1/32、付点・3 連を含む)。 |
Reverse |
エコーを逆再生します。無音→発音の立ち上がりでヘッドが揃うため、同じフレーズは毎回同じリバースになり再現性があります。 |
Time |
Sync オフ時の自由なディレイタイム(ms)。動かしてもテープのように滑らかにピッチが変化し、音が途切れません。 |
Spread |
左右のディレイタイムに差をつけてステレオ感を出します。 |
Fdbk |
繰り返し量。サステイン/減衰はこのノブで決まります(歪みを上げても発散しないよう内部でレベルを揃えています)。 |
Tone |
フィードバックのローパスフィルタ。下げるほどリピートが暗くなり、アナログ/テープ的な減衰になります。 |
Mix — 入出力レベル
| パラメータ |
説明 |
Input |
入力ゲイン。歪み系を強く突っ込みたいときにも使えます。 |
Dry |
原音の量。 |
Wet |
ディレイ音の量。 |
Out |
最終出力レベル。 |
Ducking — 入力中はエコーを抑える
| パラメータ |
説明 |
Duck |
ダッキングのオン/オフ。入力(またはサイドチェイン)が鳴っている間、ディレイ音を抑えます。 |
Src |
検出ソース。Self = 自身の入力 / Sidechain = 外部サイドチェイン入力。 |
Thr |
抑制を始めるしきい値レベル。 |
Depth |
抑制の深さ。 |
Atk |
抑制がかかるまでの速さ。 |
Rel |
エコーが戻ってくる速さ。 |
Sidechain を使うには、DAW で別トラックの信号を MewDelay のサイドチェイン入力に配線してください。
Motion — エコーの定位を動かす
| パラメータ |
説明 |
Pan |
パンモジュレーションのオン/オフ。エコーのステレオ定位を動かします。 |
Mode |
Ping-Pong = 左右交互 / Sweep = 連続サインで往復 / Random = 毎回ランダム。 |
Depth |
パンの振り幅。 |
Rate |
速さ。×1 でディレイ周期ごと、上げるほど速くなります。 |
Echo Evolution — 繰り返すたびに累積(フィードバック内)
各モジュールはオン/オフでき、Amt(量)で 1 パスあたりの強さを決めます。ループ内なのでエコーを重ねるほど深くなります。
Drive — オーバードライブ
| パラメータ |
説明 |
Amt |
ソフトで温かい歪み。0 でオフ。倍音を穏やかに足し、繰り返しごとにじわっと太くなります。 |
Dist — ディストーション
| パラメータ |
説明 |
Amt |
角の立ったハードな歪み。Drive より激しく、リピートするほど荒れていきます。 |
Crush — ビットクラッシュ
| パラメータ |
説明 |
Amt |
量子化ビットを下げて音をざらつかせます。繰り返すほど荒れた質感に。 |
Pitch — ピッチシフト
| パラメータ |
説明 |
Amt |
ピッチを ± にシフト(テープ速度の発想)。+で上がり、−で下がります。繰り返すたびに段階的に移動します。 |
Glide |
OFF = エコー毎に段階シフト。ON = 入力が止むとテールが連続的にグライド(Amt が速さと方向)。 |
Post FX — 各エコーに一定量(出力段)
空間系は出力段で処理するため安定し、ディレイタイムにも影響しません。
Modulation — 揺れ
| パラメータ |
説明 |
Depth |
揺れの深さ(コーラス/ビブラート的な動き)。 |
Rate |
揺れの速さ。 |
Stereo — ステレオ拡張
| パラメータ |
説明 |
Amt |
エコーのステレオ幅を広げます。モノ素材からも自然に幅が出ます。 |
Detune — デチューン
| パラメータ |
説明 |
Amt |
左右をわずかにピッチでずらし、原音との打ち消しを防ぎます。バイポーラ(0 = オフ)。 |
Levels — メーター
| 項目 |
説明 |
IN / OUT |
右端のメーターで入力(IN)と出力(OUT)のピークを左右別に表示します。 |
使い方のヒント
- クリーンなディレイから始めるなら、ECHO EVOLUTION と POST FX を全部オフに。
Fdbk と Tone だけで素直なテープ/デジタルディレイになります。
- 育つテールが欲しいときは
Fdbk を高め(0.7〜)にして、Dist や Crush、Pitch(− 方向)を少しずつ。繰り返すほど崩れていきます。
- 飛び道具には
Reverse + Pitch(Glide ON)。フレーズの切れ目でリバースのヘッドが揃うので、狙った効果が再現できます。
- このプラグインは 0 dB を超えてもそのまま出力します(音を潰しません)。最終的なレベル管理は後段のリミッター等で行ってください。